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あのときの一言が。父から子へと繋いだ看板商品「エルベランクッキー ミルクチョコ」(兵庫県西宮市)

今回は、兵庫県の西宮市にある洋菓子屋、「エルベラン」の柿田さんにお話をうかがいました。看板商品が誕生した舞台裏や、東京にある面白い風習について教えてくれました。

掲載日:2017-06-13

インタビューに答えてくれた方
エルベラン / オーナーシェフ 柿田衛二さん
1995年ドイツ菓子ゲベック入社。1999年家業のエルベランにもどる。2000年フランス、ブルターニュ地方の名店パティスリールダニエルでローラン・ル・ダニエル氏に師事。イッサンジョー国立製菓専門学校にて研修。帰国後現在にいたる。
02~2003年兵庫県クリスマスケーキコンテストビッシュドノエル部門連続優勝、同マジパン部門6位、3位
04~2005年ジャパンケーキショウ東京マジパン部門銅賞
2006年クッキー&コンフィズリー部門金賞他キリクリームチーズコンテスト入賞

パティシエになられたきっかけを教えてください。

このエルベランは父が創業したお店です。その父を近くでずっと見ていたので、幼稚園の頃から「大きくなったらケーキ屋さんになりたい」と言っていました。物心がついた頃から苺を切ったり、住み込みで働いていた職人さんと話したり、本当に生活の一部でしたね。

パティシエ一直線だったんですね。

いえ、実は大学生のときにサラリーマンになろうか迷った時期がありました。就職活動をしたのは1994年で、そのときはバブルの終わりかけでしたが、それでも色々な会社から就職依頼の資料が段ボールで送られてくる時代でした。
ボーナスだけで100万円貰える企業に推薦をもらえるとなったときは、一瞬心が揺らぎましたね 笑
けど結局は、子供のころからの夢だったケーキ屋になることにしました。

柿田さんが職人として、大切にされていることは何ですか?

うちはお店を50年もやっていて、お客さんの中には親子4代続けてケーキを食べてくださるご家族がいます。50年前、創業したときに一番最初にデコレーションケーキを予約してくださった方が、いまだに買いに来て下さるんですよ。そういうお客さんの思い出を守るということが一番大切だと思っています。
けど、職人ですから「自分のケーキをつくりたい」という欲求もありますよ。

伝統と革新、そこのバランスは難しいですよね。

フランスへ留学してからこの店に戻ってきたときに、僕が新しく考えた商品を2、3品並べてみたんですよ。けど、それが1個も売れない日が何日も続きました。それでも段々と改良を重ねていくうちに売れるようになったんですよ。
あれから15年が経った今、ようやく僕の商品もエルベランの定番商品として認められるようになってきたのかなと思います。

それでは逸品を紹介してください。

「エルベランクッキー ミルクチョコレート」という、今から35年ほど前に父がつくったクッキーです。チョコレートサブレにパイを巻き、フランス・ヴァローナ社のミルクチョコレートをサンドしています。サクッとした食感とクーベルチュールチョコレートの上質で豊かな味わいがポイントです。

クッキーにパイが巻かれているのは珍しいですね!

この商品ができた当時のことをよく覚えてます。
父が試作中にクッキーを2つ置き、「パイを巻いているのと、巻いていないの、どっちが美味しい?」と聞いてきたんですよ。僕が「巻いてる方!」と返事をしたら、父は「パイを巻くのは手間がかかるんやけどなぁ」と言いながらも、納得していました。
もし僕が「巻いていない方!」と言っていたら、エルベランクッキーはパイに巻かれていないクッキーになってましたね 笑

どのような素材を使われているんですか?

良いものだけを使ってお菓子をつくるのがうちのやり方で、父からは「材料だけは質を落とすな」と言われてきました。
本当に美味しい材料を使っているから、うちはバニラなどの香料を使う必要がないんですよ。本来は、卵・小麦粉・砂糖・牛乳・バターを混ぜて焼きあがったときに美味しそうな香りがしないとおかしいんです。

そうなんですね。このクッキー、とても可愛いクッキー缶に入ってますね!

クッキー缶は、年間800個しか作ってないので、それがなくなったらもう終わりです。これは今年限定のデザインで、女の子をモチーフとしながら毎年変えているんですよ。クッキー缶を始めて、今年で4年目になりますね。

どうしてクッキー缶を始めたんですか?

東京のある地域では、その地域にあるお菓子屋のクッキー缶を小学生の道具箱に使う風習があるそうなんですよ。お客さんはそこのお店でクッキー缶を買って、小学生になるお子さんがいるご家庭に配るみたいで。
その話を聞いたときに、「紙箱よりもクッキー缶の方が、お客さんの生活に密着できるな」と思いました。うちのクッキー缶もそういう使われ方をされて、1つの文化になったらいいなと。

ありがとうございました。それでは最後に、お客様に一言をお願いします。

うちはギフトとしての購入が全体の7割を占めていて、「他の方に自信を持ってお渡しできるお菓子」として人気があります。エルベランクッキーは他にもホワイトチョコがありますので、ぜひ両方食べて欲しいです。

今から40年前、宅配便が全国配送を始めたときに「これからはギフトの時代だ!ギフトでもらって嬉しい商品が必要だ!」と言われたお父様。「これからはネット上の地図を散歩しながら商品を買える時代だ!それに適した商品が必要だ!」と言われる柿田さん。
時間軸の離れたお二人が、根本で似ていることを感じました。
店舗は夙川駅すぐの場所にあり、オープンテラスを備えて皆さまを待っています。

PENGY編集部

エルベランクッキー ミルクチョコ

価格:20枚入 1,140円

店舗情報

店名:エルベラン

住所:兵庫県西宮市相生町7-12

ホームページ:http://elberun.gift/