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卵をブレンド?新発想が生み出したこだわりの逸品「芦屋かすていら」(兵庫県芦屋市)

今回は、兵庫県の芦屋市にある和菓子屋、芦屋 柳月堂 玉川(あしや りゅうげつどう たまがわ)の安達代表にお話をうかがいました。修行先から実家に戻ったときに感じたギャップや、逸品を作るために編み出した技について教えてくれました。

掲載日:2017-06-01

インタビューに答えてくれた方
芦屋柳月堂玉川 / 代表 安達文輝さん
大阪の名店「住吉菓庵 喜久寿」で18歳から修行。23歳のとき、親元である安達一郎の元に戻り修行を続ける。30歳のとき(平成9年)「芦屋柳月堂玉川」として店舗を受け継ぎ現在に至る。
「和菓子一級技能士」。
兵庫県で三人目、芦屋市で初めての選・和菓子職認定「優秀和菓子職」。平成29年現在、全国でわずか129人。
工芸菓子の分野でも数々の受賞歴があり、芦屋で唯一の工芸菓子職人。

和菓子職人になられたきっかけを教えてください。

もともとは、和菓子職人になろうとは思っていなかったんですよ。ですが、18歳のある日、和菓子職人だった父から「修行にいけ!」と言われまして。布団だけを抱えトラックに揺られながら、住吉菓庵 喜久寿(すみよしかあん きくじゅ)に弟子入りすることになりました。

修行はどうでしたか?

修行先には5年間いたのですが、その中で和菓子を展示会に出品するようになりました。何度も出品するうちに、「誰にも負けたくない」という気持ちが次第に強くなってきたんですよ。それからは、技術というものに魅了されてしまいましたね。
あの修業時代がなかったら今の自分はないと思っています。高い技術力がある修行先だったから良かったんです。

修行を終えて、実家に戻ってからはどうでしたか?

修行先と実家の仕事は全く別ものでしたね。修業先は贈答用のお菓子をメインでやっていましたが、うちはもともとご家庭用のお菓子がメインで。そのため、方向性の違いに戸惑うこともたくさんありました。

どうやって折り合いをつけたのですか?

ご家庭用のお菓子づくりは大切に受け継ぎ、修行先で身につけた贈答用のお菓子づくりを新たに行うことで、自分のスタイルを確立していきました。贈答用のお菓子は「芦屋ブランド」を打ち出すことで、段々と売れるようになってきています。

それは嬉しいですね。安達さんがお菓子づくりで大切にしていることは何でしょうか。

材料にこだわり、技術を活かしたお菓子づくりをすることです。ひと手間、ふた手間かけられるのがうちの強みなので。

それでは、逸品を紹介してください。

「芦屋かすていら」という商品で、しっとり、ふんわりした食感にこだわっています。これは父が考えた商品で、平成14年に全国菓子大博覧会の最高賞である名誉総裁賞を受賞しました。福岡県出身の父が、カステラの本場長崎へ修行に行くことでつくり上げた、独自のカステラです。

お父様の味を守られているわけですね。

いいえ。実は、さらに美味しくしようと思い改良しているんですよ。昔は1種類の卵で作っていましたが、今は2種類の卵をブレンドしています。

卵をブレンドですか!?

そうです。1つは淡路島から「朝採り卵」を、もう1つは加古川から「日本一のこだわり卵」を取り寄せています。この2つをブレンドすることによって初めて、「芦屋かすていら」がつくれるんですよ。

凄いこだわりですね。

こだわりは卵だけではありません。
カステラには「泡きり」という大切な工程があります。焼く前の生地を丁寧に混ぜることで気泡の大きさを揃え、きめ細かな生地にする作業です。「カステラは泡きりが命」と言われるほど大切な作業なので、手間を惜しまず昔ながらのやり方を守っています。

ありがとうございました。最後にお客様に一言お願いします。

父が生み出し、私が進化させた芦屋かすていら。他のお店のカステラと食べ比べて、味の違いを感じてもらえたら嬉しいです。

安達さんの、技術を高め続けようとする姿勢には圧倒されました。工芸菓子や飴細工など、新たな分野に興味を持つ度に、一流の職人を探し出して習いに行っているそうです。「じっとしてたら何も始まらない」という言葉通り、常に一歩先を目指すという職人のあり方を感じました。
店舗はJR芦屋駅の駅ビル内にあり、アクセスがとても良好です。ご家庭用や贈答用など幅広い商品がありますので、一度足を運んでみてください。

PENGY編集部

芦屋かすていら

価格:1本 1,500円

店舗情報

店名:芦屋柳月堂玉川

住所:兵庫県芦屋市大原町9-1

ホームページ:https://www.ashiya-wagashi.com/