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脇役じゃない主役だ!異色の経歴を持つシェフが焼く「プレミアムガレット 河内赤ワイン」(大阪府大阪市)

今回は、大阪府の大阪市にある洋菓子屋、パティスリー ガレットの久保シェフにお話をうかがいました。サラリーマン時代につくっていた意外なモノや、ワイナリーにおける新しい材料との出会いについて教えてくれました。

掲載日:2017-06-10

インタビューに答えてくれた方
パティスリー・ガレット / 代表窯番 久保徹也さん
大阪市平野区生まれ、平野区育ち。
大学を卒業後、サラリーマンを経てパティシエの世界へ。
レーブ・ドゥ・シェフ、ウエスティンホテル大阪、他を経て2004年に独立し、「パティスリーガレット」をオープン。その後2010年に店舗拡張のため現在の場所に移転。

サラリーマン時代は何をされてたんですか?

発電所の設計士をしていました 笑 大学で原子力工学を専攻していたんですよ。

また凄い経歴をお持ちですね!それを辞められたんですか。

新しい発電所を建設することになって、お客さんである電力会社の方と仕様について熱く語ってたんですよ。けど、3年が経って発電所が完成する頃にはその担当者が異動になっていて、喜びを共有したい相手がいなくなっていました。
何年もかかる仕事なので仕方ないのですが、お客さんの顔が見えないことに寂しさを感じ、その会社を辞めることにしました。

それは寂しいですね。それからどうされたんですか?

大学生のときからパティシエになりたかったので、「お菓子屋で雇ってもらおう!」と思って面接に行ったんですけど、そんな素人を雇ってくれるほど甘くなくて。17件も立て続けに断られましたね 笑
そして、ようやく神戸にあるお店に雇ってもらって、パティスリーの世界に入りました。

パティスリーというと普通はケーキやムースを連想しますが、久保さんがガレットにこだわるのはなぜでしょうか。

オーボンヴュータンというお店のガレットを食べて、衝撃を覚えたことがきっかけです。あまりの美味しさに訳が分からなくなって、頭がパンクしそうになりましたね。
それまでガレットは「脇役」くらいの存在だと思ってたんですけど、それからは、「これを自分の手でつくりたい!」という気持ちになりました。そして、当時働いていたホテルを辞めて、独立することにしました。

そうなんですね。それでは逸品を紹介してください。

「プレミアムガレット 河内(かわち)赤ワイン」という商品で、たっぷりとバターを使った厚焼きクッキーです。プレミアムガレットは全部で12種類ありますが、中でも河内赤ワインをオススメしています。
卵と赤ワインには大阪産(おおさかもん)を使っていて、地元に密着した商品なんですよ。

卵にこだわる理由は何ですか?

スーパーに売ってあるような普通の卵、割ってからにおいを嗅いだことありますか?結構生臭いと思うんですけど、あれは鶏のエサに魚粉を混ぜてるからなんです。うちで使ってる卵は、エサに穀物を使っているから全く臭くありません。そういう細かいこだわりが、お菓子の美味しさを決めるんですよ。

確かに卵は生臭いイメージがありますね。赤ワインも生地に混ぜてるんですか?

最初は赤ワインをそのまま生地に混ぜてたんですけど、味がパッとしなくて。それで、河内ワインをつくっている、カタシモワイナリーさんに相談に行ったんですよ。そうしたら、「絞ったあとのブドウの皮があるんですけど、何かに使えませんか?」って分けてくれました。
それから試行錯誤をして最終的に辿り着いたのが、赤ワインにブドウの皮を足して煮詰めて、それをガレットの生地に混ぜるという方法です。こうすることで、ワインの風味をしっかりと生地に閉じ込めることができました。

ワインを煮詰めるんですね!

数時間ワインを煮詰めるんですけど、その日から3日間は店内にワインの匂いが充満します 笑
そして、このガレットが面白いのは、焼菓子なのに毎年味が違うところです。ブドウやワインはその年によって風味が違うので、ガレットも今年のと来年のでは味が違ってきます。だから、「これが今年のガレットです!」という気持ちでお出ししてるんですよ。

毎年味を変えるガレット、面白いですね。けど、それだけ手間がかかってたら大変じゃないですか?

そうですね、スタッフの協力がないとダメですね。数年前までは気が短かかったせいで、スタッフがよく辞めていってたんですよ。それで「もういい、俺は一人でもやれる!」と言って全部一人でつくっていたんですけど、実際は全然やれてなかったですね。本当にこの子らがいないと、何もできないです。

ありがとうございました。それでは最後に、お客様に一言お願いします。

添加物を一切使用していないガレットを12種類取り揃えています。それぞれにこだわりの素材を使っていますので、食べ比べをして、違いを楽しんでもらえたら嬉しいです。

名刺の肩書は「代表窯番」という茶目っ気をみせる久保さん。ガレットの話になると真剣そのもので、説明のために持ってきてくださった卵や赤ワイン、容器などが机の上に溢れかえっていました 笑
個人的に一番驚いたのは、ガレットをつくる容器の変遷です。「金型」→「メッシュのシリコン」→「紙の容器」と、段々と進化を遂げてきた話はとても面白く、お店で久保さんを見つけたら、ぜひ聞いてみて欲しいです。

PENGY編集部

プレミアムガレット 河内赤ワイン

価格:1枚 270円

店舗情報

店名:パティスリー・ガレット

住所:大阪府大阪市平野区平野本町5-14-17

ホームページ:https://www.galette.cc/